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『千産千消』に懸ける熱い思い

 前回、当社千葉工場の『千産千消デザートの取組み』に関してお伝えいたました。今回は、『千産千消』の最前線、商品開発に取組んでいる千葉工場商品部の仲田次長にお話を伺いました。記事作成にあたっては、千産千消の最初期から関わっていました商品部の藤井課長にもご協力をいただきました。

  -仲田さん、藤井さんは、これまで千産千消に取組んできましたが、今回はいろいろと深堀させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 千産千消の取組みは、10年に及んでいると聞いております。当時の様子を教えていただいてもよろしいですか。

 10年ほど前の「メロンの杏仁豆腐」から本格的に取組み始めたと思います。メロンは、JAちばみどりにて栽培された「貴味メロン」を使っています。貴味メロンの最終出荷が7月最終週には終わっていたのにもかかわらず、初年度は8月初旬の「セブン‐イレブンと千葉県の包括連携協定記念商品」に決まっていましたので、収穫されたメロンを冷蔵保管して、ようやく商品化できたという記憶があります。セブン‐イレブンの店舗からも期待されていた商品でしたので、初日の発注が1店当たり「43個」という予想を超えた数でした。そのために、あっという間にメロンがなくなり、発売から3日間しか製造できませんでした。

 -それは大変な経験をされましたね。その後10年続くと思われましたか

 それから、工場の製造現場では、「メロンのように品質管理が難しいフルーツは扱わないでほしい」と従業員のみんなは、心の中で叫んでいたと思います()。発売初年度から数年の間は、メロンを使った商品を製造する時期は、製造現場はお祭り騒ぎでした。品質を維持する上でも生フルーツを使うことで、いつも以上に気を使う点が多く、フルーツが痛んでしまうこともあり、工場から産地へメロンを発注する数量の調整にも苦労しました。また、4月に入社した新入社員が製造ライン管理者として初めて担当する商品になった年もあり、「季節の風物詩」のような商品でした。近年は、とても上手に製造してくれるので、安心して製造部に任せられます。

  -メロンに決まった経緯は、どうだったのですか

 その数年前に、千葉県の水産農作物の展示会に行ったときに、JA千葉みどりのブースで、メロンピューレやジェラートを出店していたのを覚えていました。美味しかったのですが、新しい加工商材を使うにはハードルが高いと思っていました。その後、当時のセブンイレブン・ジャパンの商品開発担当者と千葉県の農産物担当がメロンを使った商品の販売を検討しており、それがJAちばみどりの貴味メロンでした。貴味メロンを使うことが決定してしまったので、大変な諸々の書類準備もやらないわけにはいかず‥(笑)。圃場を訪問し、JAの担当者と話をする中で、「生産者は大切に育てているので、いい商品に仕上げてお返ししないといけない」と考えるようになりました。また、メロンを使う商品を製造したおかげで、他の新しい農産物を扱うときのノウハウが蓄積できました。メロンは、私にとってはとても勉強させてもらった素材で、出会えてよかったと思っています。

  -従来のメロン、サツマイモ、牛乳に加えて、今年2023年6月には、富里市産のスイカを生かしたスイーツを誕生されましたね。どのような経緯でスイカになり、またスイカを生かす上で苦労された話などありますか

 2023年6月15日には千葉県が誕生して150周年となり、節目の年となりました。このタイミングで新しい商品を発売したいと、セブンイレブン・ジャパンより依頼を受け、6月に旬を迎える「スイカ」が指定されました。本来であれば数年かけて新しい果物の調達を行うものですが、話を受けたのが今年3月下旬でした。限られた時間で原料調達の目途をつけ、商品設計をセブンイレブン・ジャパンに了承を得る必要があり、時間の使い方が非常に苦労しました。このようなギリギリの時間軸であったものの、JAのご協力を受けて冨里市産のスイカを譲り受け、開発を進めることができました。また、同じ千葉県内ということもあり、鮮度が良い状態でスイカが工場へ入荷されました。スイカ本来の味や甘さを楽しんでいただきつつ、スイーツとしても楽しんでもらえる杏仁豆腐にて商品化が決定し、無事に150周年のタイミングで販売することができました。

  -今後は、どんな千葉県産食材を生かしていこうと考えておりますか。お話できる範囲でお願いします。

 皆さんご存じないかと思いますが、千葉県は全国生産量5位圏内の食材がたくさんあります。もちろんスイーツとして美味しく食べていただく必要がありますので果物が中心となります。夏の暑い時期でもサッパリと食べることができる商品になると面白いなと考えており、試行錯誤しています。また、千葉県は酪農発祥の地でもありますので、牛乳を使用した千産千消商品を数多く開発販売しています。牛乳が余剰になるというニュースもありましたので、この先も多彩な商品を開発し、スイーツを通じて継続した牛乳消費に取組む考えです。千葉に立ち寄られる際は、是非ともセブンイレブンにて「千葉県限定」スイーツを食べてみてください!!